吉野桧フローリングの床暖房実験 3

実験結果からの考察です。
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◆吉野中央木材(株)の考え

 以上の実験結果をまこと大雑把にまとめさせていただくと、含水率の違いで多少数値に差はありますが、弊社製桧フローリングは加熱・加湿により、すき間やカップは閉じたり開いたりを繰り返すということです。 これらの結果は、今までに床暖房に弊社桧フローリングを敷設された現場の、施主様や大工さんからご報告いただいた状態の変化を、おおよそ裏付ける内容となりました。 実際の使用状況では、今回の実験のように4日間も24時間室温55℃の状態に置かれる事はないので、ここまでの数値にはならないと思われますが、敷設現場でのお話によると、床暖房をONしている事の多い時期(当然冬季)とOFFしている時期により、同じく開いたり閉じたりしているようで、これは無垢材の通常の反応であり、桧フローリングは床暖房を設置していなくても、季候の変化だけでも伸びたり縮んだりし、この状態とあまり大きな違いはないと思われます。

 一方、意外であったのが、接着剤やステープルによる、すき間抑制効果がほとんど認められなかった事です。 固着力の非常に強いステープルや接着剤ですので、伸縮による木材の縦方向の反りで、根太からはがれるような事はありませんが、横方向の伸縮には残念ながらほとんど無力のようでした。

 このような結果から、確かに弊社桧フローリングは気温や湿度の変化により、伸縮して張り合わせ実(さね)間のすき間が開いたり閉じたり等の動きをみせますが、そういった現象を天然無垢材の特性として受け止めていただき、そういった性質に沿った多少の注意を払えば、床暖房設備でも充分ご使用いただけると思います。

◆床暖房設備の上に弊社製桧フローリングを敷設する際の注意事項

・当然フローリング材は、充分乾燥した材を用いる。
(平衡含水率以下になっている材が望ましい)
・施工に使用する根太材や下地材も、よく乾燥していてネジレや反りの少ない物を使用する。
・床下湿度にも注意して、問題あれば対策を施しておく。
・少なくとも通常以上に材の伸縮があると考え、壁との隙間やサネ隙間のなども充分考慮して、一般的な無垢材工法を用い施工する。
・床暖房で暖めている上にカーペットなどを敷くと、その部分が高温になり、通常以上の変化がでる可能性があるので敷物は避ける。
・床暖房を使用しない時は、こまめにOFFにする。

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