吉野桧フローリングの床暖房実験 2

実験結果のデータグラフです。
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1-カップの変化

 下図は送風乾燥器内に実験体を入れてからの、時間経過に伴う“カップ変化”のグラフです。 
グラフ1(上)は測定した15ヶ所のカップ深さ変化の最大値で、グラフ2(下)はその平均値を示します。
 含水率14%材セットの試験体では、11%材のセットより試験開始当初から、ややカップが大きいでしたが、送風乾燥器中での加熱に伴い、すなわちフローリング材の乾燥に従って、カップ量が大きくなり40℃での加熱でも最大値1.5o以上、平均値でも約1oになったのに対して、含水率11%材のセットでは、それぞれ最大値0.9oほど、平均値で0.5oほどに止まりました。 55℃に上昇したとき、含水率の如何に関わり無くカップは大きくなる傾向にありますが、その程度は軽微です。 またそれら“深さ”と“すき間”は、加湿とともに小さくなり、初期値にかなり近づきますが、最終的にはそれよりもやや大きな値で平衡状態になりました。


2-すき間の変化

 下図は送風乾燥器内に実験体を入れてからの、時間経過に伴う“すき間変化”のグラフです。
グラフ3(上)は測定した15ヶ所のすき間変化の最大値で、グラフ4(下)はその平均値を示します。
 すき間も含水率14%材セットのほうが大きくなり、その最大値は40℃での加熱で3oを超え、55℃では4oを超え、その時平均値でも3oに達していました。 含水率11%セットでは、14%セットに比べてすき間は最大時で約1o、平均値で0.5o小さいでした。 また、両者とも加湿に伴い、すき間は完全に閉じました。 平均的なヒノキ材の接線方向(板目材の幅方向)の膨潤率は、含水率の変動1%当り0.3%程度と考えられること、また40℃下での平均含水率は数%で、その際の含水率変動は14%のフローリング材で8〜10%、11%のフローリングでは5〜7%と予想されることから、根太との間の接着剤やステープルによる抑制効果は、ほとんど認められませんでした。
 加湿の最終時点で、巾木と根太とのすき間を測定しました。 含水率14%材セットでは、平均値0oと最大値0.3oでしたが、含水率11%セットでは、平均値0oと最大値1.2oであり、フローリング材の膨潤によって、巾木が押されているのが明確になりました。

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