吉野の木の事

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伐採現場

伐採現場 奈良県の銘木、吉野杉・吉野桧のおもな伐採場所は吉野郡全域にあたり、吉野中央木材鰍ナは東吉野村や、川上村で伐採された木材をよく利用します。

 吉野における人工植林の歴史は古く、約500年前の室町時代までさかのぼる事ができます。 その長い経験は、そのまま日本の林業の基礎を築いてきたと言っても過言ではありません。

 とても起伏の激しい山岳で、30mを超えるような大木を切り倒し、ヘリコプターで搬出する現場は、かなりダイナミックな作業風景が見られます。

 これからも、伐採と同時に丁寧で計画的な植林作業を行い、数百年かけて培われてきた育林を守っていけるようにしなくてはならないのですが・・・。

 こういった伝統的な植林により、永く親しまれてきた吉野材ですが、全国の産地と同様、高度経済成長にともなって進んできた大量消費型経済社会の拡大を受けて、循環型の林業は追い詰められ、もはや伐採どころか間伐すら難しい危険な状態になってきております。 日本の国土保全はもとより世界的な環境問題にも対応できるよう、速やかな循環型経済社会への移行が必要です。

吉野材の特長

宮本っさんと杉大径木  吉野材の最大の特長は、芯が円心にあり曲がりが少なく、年輪巾が適度に細かく均一であること。 そして色つやが良く光沢にとんでいることです。 年輪巾が細かく均一であるということは、そのまま強度が高いということにも繋がります。
 
 このような良材がつくられるには、恵まれた気候や土壌と、幾世代にもわたる技術開発努力の結果があります。

吉野材が良材である要因

密植  1ヘクタールあたり8000本〜12000本という、高密度の植栽を行うことで年輪巾が細かくて均一な材を育成しています。
枝打ち  外形を丸く、芯を中心に、まっすぐで先細りが少なく節の少ない良材をつくり、順調な育成を促すためにかかせない作業です。
間伐  良質な材を優先して育成していけるように、積極的に間引きをしていきます。
気候  奈良県吉野は海抜300〜800mと、杉・桧の育成には最適な地域であり、年平均気温14℃、年間降雨量2500mm、積雪は年数回で50cm以下、風害は希少で、気候もまた杉・桧には最適です。
土壌  古生層、中世層からなる燐酸加里・硅酸塩類に富む土壌で、保水と透水性が極めて良く、杉等の生育に最適な土壌です。
 このように、恵まれた自然環境と人との長い共存生活の中から、吉野材は生まれてきています。

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